コトバの使い方③:オス/メス表記

先日、製造業の女性が、現場で嫌だなと思うこととして
「金具のオス・メスという言い方」
について、取り上げていました。

コネクタとしては
「プラグ、ソケット」
という言い方もありますが、その組織としては慣習的に
「オス金具/メス金具」
という言い方をするのだそう。

その20代の女性は
「ありえない」
と困り顔。

上司に申し出たところ
「じゃあ、なんて言えばいいんだ」
と問われたとか。

*****

こういった内容って、
男女平等や男女差別、ジェンダーなどの問題として、
取り上げられそうです。

しかし単純に言葉が置き換えられれば、
一気に変わっていく単純な問題だとも感じます。

日本語ですと「オス/メス」ですが、
英語ですと「male/female」という言い方。

大手メーカーですと
・オス:プラグ、あるいはピン、ピンインサート
・メス:レセプタ、あるいはレセプタクル、
    またはソケット、あるいはソケットインサート
と表記するようですね。

「オス/メス」表記は、意外に広い範囲で使用されていて、
名称がない差し込み口や、対になっている製品には、
便利な表記なんでしょうね。

私も何かを購入するときに、
販売サイトの「オス/メス」表記を
しっかりと確認して購入しますし。

かなり定着している世の中の
共通認識・共通言語なのでしょう。

まあ、日本語でも英語でもコネクタであれば
「プラグ(plug)/ジャック(jack)」
と呼べばいいでしょうが、
製品ひとつ一つ、形状ひとつ一つに
名称や表記を定めていくとなると、結構、大変。

置き換えられる可能性としては、
日本語であれば凸凹でしょうか。

こうやって考えると、
かなり大掛かりな問題でもありますね。

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言葉は社会状況により、どんどん変化をしていきます。

これまでも
「看護婦」が「看護師」に置き換わったり、
「父兄」が「保護者」に置き換わったり、
「スチュワーデス」が「客室乗務員」に置き換わったり、
「ビジネスマン」が「ビジネスパーソン」に置き換わったり、
「保母さん」が「保育士」に置き換わったり…

余談ですが、いま学校では「〇〇君」とは言わないそうですよね。
「〇〇さん」で統一されているそうです。

研修時に、若手社員の方から
「〇〇君と呼ばれると、なんかイヤです」
と、こそっと言われたことがあります。

しかし私の年代では、同輩・後輩の男性を
「〇〇君」
と呼ぶのが当たり前だったので、これがなかなか直せない…

ちなみに英語でも、
「Master/Slave」の「Black/White」や
「blacklist → denylist」と、
置き換えられ始めている言葉も多いようです。

人種的な配慮もあるでしょうし、
その点は日本よりも進んでいそうです。

そうであれば、英語の表記をどんどん取り入れていった方が、
広い共通言語が定まって良いような気がします。

まずは「オス/メス表記」
いい表現、ないんですかね?

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