先日、81歳の作業員が鉄塔から落下した死亡事故があった。
心からご冥福をお祈りします。
私が伺っている複数の企業様でも、高齢作業者は多い。
ひと昔前までは、
企業側の度量としての高齢者雇用のニュアンスが多かったと感じるが、
今は必須の労働力としての高齢者雇用ではなかろうか。
技能職の高齢者はとても多く感じる。
(賃金分析をしていても、当該社比較で、データ上も実質的に割合が多い)
これは技能伝承がうまく行っていないので、
すぐに辞められては困るから。
有資格者の高齢者も多い。
これは資格がなくなると事業が継続できないという切実さ。
若手に資格取得を促すものの、
難易度が高い資格なんかは、スグに取得できるワケではない。
当社顧客の土木会社様では、
10年近くに渡り、計画的に資格取得を推進してきたので、
近年、ようやく有資格者が多くなってきた。
有資格者には資格手当を支給したり、
資格取得支援制度を設けたり、
資格が無ければ昇格できないという要件を設定したり…
様々な努力をして今がある。
そして近年、感じるのは、現場作業者の高齢化。
もともと高齢者割合は少なくなかったけれど、
配送・土木・建設・介護などなど、
現場があり、労働強度が高い仕事に高齢者がより多くなっている気がする。
(賃金分析をしていても、当該社比較で、データ上も実質的に割合が多い)
え?
大丈夫かな?
と思う年齢の方が、
高所作業を行ったり、
運転をしたり、
重労働をしたりしているので、
今日のような熱中症警戒の日は特に心配になる…
そんな企業様でよく聞くのは
「実際に、事故率が多い」
「でも本人は大丈夫、働けると言うんです」
という言葉。
つまり
「あなた、もう運転、無理でしょ。年に4回も事故を起こしてるんだから」
とか
「〇〇さん、もうこんな20キロ担いで、上に登れないでしょ」
とか言えない。
「あ、俺、持ちますよ」
とタイミング良く、声がかけられればいいけれど、
知らないうちに持って登って、
足を踏み外して労災…ということもあるそうな。
切実だ。
お互いに思いやっているけれど、なんて危険な現場なんでしょう。。。
当社で一昨年、伺った企業様でも、
実際に上記のようなことが続き、
その高齢の方に仕事を外れていただいたそうだ。
しかし
「さすがに給料は下げられなくて」
と経営者は呟いていた。う~む。
そこで、こちらの企業様には
「作業安全チェックシート」
を採用していただいた。
・運転や作業に関しての事故や、ヒヤリハットがあったか。
・重いものが持てているか、持ってふらついていないか。
・細かな作業が見えているか、間違えていないか。
・物忘れが作業に影響していないか。
本人もセルフチェックをするが、
客観的に複数人に、その人の作業をチェックしてもらう。
もちろん高齢者だけじゃなく、全ての作業者に導入しているので、
若手でも不注意傾向が強い方などは、得点が高くなる。
一定の得点以上の方については、本人と作業変更の協議を行ったり、
社内で合理的配慮が取れるかどうか検討したりする。
作業変更がある場合には、
業務難易度や労働強度が大きく異なる職種に異動すると、
賃金変更も発生するので、慎重だ。
それでも高齢者の幾人かは、
自身のパフォーマンスが落ちてきていることを認識し、
自ら軽作業に移行したり、
自らマイスターとして若手育成にキャリア変更された。
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今回の冒頭に書いた事故は、
下請け会社が雇用した作業者なのかと思う。
自社に労働力が少ないから、アウトソーシングする。
でも請負会社も労働力がないから、日給の高齢者を雇用する。
という構図なのだろうか。
以前とある製造業様で、
「重作業なんだけど単純作業がある。
ここは重作業だから男性の若手しか採用できない。
でも単純作業しかないから賃金を上げることはできない。
単純作業だから、キャリアも積めなくて遣り甲斐もなく、
給料も安いからすぐに辞めてしまう」
と言っていた。
こちらの企業様では発想を転換していただいた。
パワースーツのような補助具を導入していただき、労働強度を低くし、
短時間作業希望の女性やシニアでも働けるようにしたのだ。
これからの日本。
労働力は絶対的に不足するのだろうから、
中小企業でも自社の労働配分や労働の仕組みを
しっかりと考えていく必要があるように思う。

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