法人会ニュース7月号に寄稿しました。
「営業プロセスを磨こう」と題して、前号との連載です。
私自身の営業職そのものの経験はもちろんですが、
20年以上、毎年、様々な業種の営業プロセスの
設計や見直しに携わらせていただいてきましたので、
今回はその営業コンピテンスをまとめさせていただきました。
営業プロセスの設計をする際には、やはりデータ分析がベースに。
プロセスを変更修正したことで、
数値データがどう変わるのかを、細かく確認していく作業が伴います。
トークスクリプトの変更や、
ヒアリング内容の変更、提示資料の変更で、
どのように数値が変わるのか。
営業パーソンの行動がラクになり
(例えば資料提示に抵抗がなくなったとか、
この言葉の方が言いやすい・訊きやすいなど)、
数値データが上昇する行動を、どう残していくのかを、
クライアント様と毎週毎月、すり合わせていくという地道な作業…
説明会の度に「また変わるのか」と、
営業パーソンに嫌な顔をされることもありましたが、
業績が良い企業様ほど、協力的で
「変えてみましょう!」
「やってみましょう!」
という姿勢が多かったです。
単に個人的な営業スキルで、
スーパー営業パーソンやカリスマ営業パーソンをつくるのではなく、
企業自体の営業力を底上げしようという姿勢。
SFA: Sales Force Automation
(セールス・フォース・オートメーション)
や、
CRM:Customer Relationship Management
(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)
を導入している企業ですと、その辺りのデータ分析はラクですし、
可視化されているので営業パーソンが行動変容するのに納得度も高く、
行動に反映するサイクルも早いのですが、
問題はそのようなツールがない中小企業。
カリスマやらスーパーセールスがいる企業の中には、
個人商店主的な営業パーソンが多く、
そのスキルやノウハウはナレッジにならないことが多かった…
だからカリスマが辞めると業績が下がるし、
カリスマ頼みだから売上はあがっているかもしれないけれど、
利益率が獲れていなかったりする傾向がありました。
『営業研修』は、営業パーソンのスキルアップを目的に
行なうことが多いのですが、これって一種のカンフル剤。
インプット能力や転換力・反映力が高い方は、
自身の行動に応用することができるけれど、
もともと営業成果があがっていない方を底上げするには、
カンフル剤では効果が出ないことが多いものです。
新人であれば、基礎知識が必要なので、地道な指導が功を奏しますが
(というか絶対的にインプット量を高めないと実践には繋がらないので、研修は効果的)、
中堅以上には研修よりもプロセス変更指導の方が効果的です。
営業プロセスを変更し、ロールプレイを徹底してから外に出す。
これの繰り返しが一番、成果に繋がると実感しています。
でも時間も費用もかかるから、
その方法を取りたがらないことが多い企業があるのです。
そして成果が上がらないと、営業パーソンの「せい」にする。
まあ、その方が会社としては「ラク」なんですよね。
しかしやはり、絶対的に
「全社でケース別にプロセス変更して、ロープレ」
の方が、自社にナレッジを蓄積できるし(無形財産が増える)、
成果に繋がる(何が成果に繋がるのかも可視化される)ので、オススメです。
時代的にも、今のZ世代はもとより、これからのα世代は、
ロジカルに可視化されたツールの方が、行動変容しやすいと思いますよ。

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