そういえば、昨日の「企業様」の投稿で
「お客さん」のコメントいただいたので。
これも流行り廃りがあるのか変遷しますし、
組織の考えによって、大きく違いますよね。
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私が高校生の頃にアルバイトをしていた飲食店は、
呼びかけは「お客さん」でした。
でも裏ではみんな、
「あの客はさ」
「ウチの客って」
と「客」と言っていました。
裏表がある会社だなあ、
と高校生ながら、不信感を抱いたのを覚えています。
次にアルバイトをしたのは、親の知人の喫茶店でした。
お客さんとの距離がとても近く、常連さんも多かった。
ここは裏表なく
「お客さん」
「〇〇さん」
でした。
しかしその後、アルバイトをした和食店では、
裏でも表でも
「お客様」
と呼ぶことを徹底されました。
それ以外は許されません。
「お客さんが」
と言えば、
怖い先輩や大女将から
「お客様!」
と怒気を含んだ訂正が入りました。
そればかりか
「テーブル〇番、会計です」
なんて言おうものなら
「〇番様!」
という訂正も入りました。
領収書の宛名をお聞きし、復唱する時も
「〇〇商事様、ですね」
と『様』をつけることを徹底されました。
現在、様々な顧客企業様に伺っている中でも、
裏で
「客」
と言い捨てる企業様もあれば、
「お客様」
「顧客様」
を徹底しているところもあります。
フレンドリー接客を前提に
「お客さん」
とお呼びかけする教育をしている組織もあります。
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面白いのは医療系です。
こちらも
「患者様」
と呼ぶ病院・クリニックもあれば、
「患者さん」
というところもある。
ところが、病院やクリニックで
「患者様」
という呼び方を見直す動きが
広がっているそうなのです。
少し前までの医療系業界では
「患者中心の医療」の流れがあり
「患者様」
という呼びかけが、かなり普及したと感じています。
しかし
「違和感がある」
「患者に様をつけるのは日本語としておかしい」
などの理由から、「さん」呼称に戻す
医療機関が増えているそうなんです。
あるいはペイハラ(ペイシェントハラスメント)を助長する、
「誤った権利意識」を生むのではないか、
という観点から
「患者さん」
に戻す病院・クリニックもあるそう。
そしてそれを「宣言」したり、
待合室に掲示する病院・クリニックも
多くなっているようなのです。
私個人では、
「患者様」
という呼びかけを徹底している病院・クリニック様は、
人材育成も徹底し、
それに見合う立ち居振る舞いや態度を望む
教育方針のところが多いので、
信頼に足ると感じています。
もちろんクレームもありますが、
そのクレーム対応も踏まえて教育されているので、
患者様に「誤った権利意識」を無駄に与えるような
病院・クリニック様ではないと感じています。
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「患者様」や「お客様」と、『様』をつけるからには、
それなりの対応・接遇が当然、求められますよね。
一般企業であれば、
ブランディングや商品単価にも左右されるのかもしれません。
いずれにしても、
その組織の「考え方」「哲学」によるものなんでしょう。
流行り廃りで変えるのではなく、
哲学や根拠がある
「お客様」「お客さん」
であってほしいな、と「客」の立場からは思います。
つ・づ・く

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