経営者様とお話をしている際に、評価制度の運用がうまくいかない旨、ご相談を受けました。
経営者様は、評価表を再構築した方が良いのではないか、とお考えでした。
が、実際はそうではないのです、というお話。
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「評価制度設計」重要なポイント
「評価表は、どんなものでも構わない」
と、弊社では考えています。誤解を恐れずに言うと。
しかし、評価表やマニュアルなどは、単なる構造物。
それをつくったから、自動で運用できるかと言うと、それは違います。
誰かが、どうにかして、運用しなくてはなりません。
だからこそ、運用できるように、仕組みづくりをしなくてはなりません。
通常、「評価制度設計」と言えば、構造物である評価表を作成し、仕組みである運用制度を設計し、終了します。
しかし、仕組みは、あくまでも構造物を遣う手順を示したものであり、方法論。
ここからが、重要なポイントです。
制度を運用するのは、あくまでも「人」という事を、忘れてはならないのです。
運用する人の「スキル」や「意識」が低ければ、使われないまま宝の持ち腐れになってしまいます。
では「運用する人」って、誰でしょう?
人事担当者や、総務担当者?
いやいや、評価者?
それとも、経営者?
- 実は、運用する人は、評価対象となる全ての従業員。
- だからこそ、評価者研修よりも、被評価者研修。
- 評価表作成よりも、評価項目の読み解き研修。
ここに、弊社は重点を置いています。
評価するスキルを上げるよりも、何を評価されるのか、何に注力して仕事に携わるべきなのか、どんな行動を重点的にやるべきなのかを、従業員に考えていただく方が重要です。
そして、それは目当てや目標、期待通りにうまくいったのかを、「評価」する。
それが評価制度だと、認識してもらわなければ、評価実施の意味も意義も、わからないままに「面倒くさいこと、やらせやがって」「評価しても、賃金さっぱりあがらないし」となるワケです。
評価表が、粗い出来だとしても、評価項目が少なくても、その評価項目の背景や意図、そしてその評価項目に対しての期待などを共有する研修・勉強会の機会さえ持てていれば、運用はスムーズです。
しかも、その研修は、外部講師を呼ぶ必用もなく、社内で実施できます。
研修を仕事にしている私が言うことではないかもしれませんが、くだらない研修を実施するよりも、会社の考えをすり合わせる、このような機会をたくさん持つ方が、余程、人材は育成され、成果が出ます。
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評価制度の運用がうまくいかない。
そう思うのであれば、評価項目について、経営者や管理者が解説する機会を盛ったり、従業員とともに、認識や目線をすり合わせる勉強会を行ってみてください。
きっと、うまく回り始めます。
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